お汁粉

【おだんご談義】第六回:お汁粉、ぜんざい、関東と関西では呼び名が違う?

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木枯らしが吹き、彩豊かな葉をつけていた木々も枝だけになってきました。寒さも厳しくなり、年の瀬を感じる季節となりました。

そんな時は、温かい食べ物が欲しくなりますよね。

和菓子では、小豆を煮て、砂糖で甘みをつけた汁で粒あんやこしあんの他、具には切り餅や白玉団子、粟(あわ)、栗などを入れた「お汁粉」があります(※1)。和の甘味処にはメニューの一品に入っています。

お汁粉、ぜんざい、関東と関西で違う呼び名

実は、関東では「お汁粉」といえば、粒あん、こしあんのどちらでも「お汁粉」と呼びますが、関西ではこしあんのものだけを「お汁粉」と呼びます。

お汁粉

そして、関西では粒あんのものを「ぜんざい」と呼びます。一方で、関東では「ぜんざい」は汁気の少ないあんを餅や白玉団子にかけたものをいいます(※2)。

ぜんざい

「お汁粉」は、江戸時代に生まれた甘味で、あんの汁に子(実)として餅などを入れるため、「餡汁子餅」と呼ばれ、そのうち「汁子」、「汁粉」になったといわれています(※3)。

「ぜんざい」は「善哉」とも書き、仏教用語で「よきかな(それでよい、それはよい)」を意味します(※4)。それぞれ、意味の異なる名前がついて、同じような和菓子を意味しているなんて不思議ですよね。

お歳暮にもぴったりの懐中汁粉

また、年の暮れのごあいさつ「お歳暮」として贈ったり、頂いたことのある方も多いのが「懐中汁子(かいちゅうじるこ)」。

誰でも簡単に作れるインスタント汁粉のようなもので、最中の皮の中にこしあんの乾燥粉末と砂糖、麩、あられなどが入っています。湯をかけると最中の皮が溶け、中に入っているこしあんや砂糖も一緒に湯に溶けて、温かいお汁粉になります。生ものではないので日持ちもします。食べたいときに食べられるのも魅力の一つですね。

近頃は、抹茶味やゆず味など様々な「懐中汁粉」が商品化され、味も見た目も楽しめる和菓子になっています。
すこし小腹が空いたら、焼いたお餅を入れて、心も体もほっこりとおいしい「お汁粉」、「ぜんざい」をいただきましょう。

あんこ百貨店で購入できるおススメの懐中汁粉に、秋色庵大坂家(しゅうしきあんおおさかや)の秋色汁粉がありますよ♪お歳暮としても是非どうぞ。

【参考文献】
(※1)(※4)芝崎本実、「あんこのことがすべてわかる本」、誠文堂新社
(※2)角謙二、「和菓子の基本」、株枻出版
(※3)中島久恵、『「おしるこ」と「ぜんざい」、東西で呼び名も中身も変わる問題を解説

 

おだんご先生
おだんご先生(芝崎本実:帝京平成大学助教)
和菓子の魅力をアカデミックにそして科学的に紐解いていくコラム。おだんご先生主催のおだんご日和もチェック!
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