さあ今回も行きますよ、和菓子向上委員会。
和菓子のポテンシャルを最大限に引き出すために、様々な可能性を探っていくこのコラム。
第三回のテーマは「中毒性」。
食べても食べてもまた食べたくなる。そんな和菓子が開発できたら和菓子屋さんにとっては一生安泰ものですよね!?
というわけで、世の中にある様々な「中毒性」のあるものをヒントに、中毒性のある和菓子を提案していきたいと思います。
もちろん、合法なやつです。笑
かっぱえびせんに学ぶ中毒性和菓子
やめられない、とまらない。元祖中毒性のお菓子といえば、みなさんご存じ「かっぱえびせん」。
あまりの止まらなさに、「なんかやばいものでも入ってる!?」と疑問に思った人も多いであろう。
実は、やめられないとまらない理由は、食感と動作にあったという。長さ5cmほどでちょうど2、3口、サクッ、サクッと噛み砕き、スッと手が伸びる。この軽快な食感と動作こそが、止まらないに繋がっているのだそう。
そしてさらに、このキャッチコピーによるサブリミナル効果もあるという。なんとも、実に考えられた商品です。
そこで考えました。「どうにも動けない でぶねこ饅頭(まんじゅう)」。太り過ぎて動けないデブ猫をイメージしたお饅頭。和菓子の食感はやはりサクサクよりはもちもち。そのもちもち感やあんこのずっしり感を最大限に可愛らしく変換したのが、この「でぶねこ饅頭」。ぼってり太った猫のような饅頭にあんこがずっしり。もちろんサイズは軽快に食べられる一口サイズ。
モチっ、モチっ、スッ(饅頭に手が伸びる音)、モチっ、モチっ、スッ。この軽快なリズムを繰り返すのである。
そして、「どうにも動けない」というキャッチコピーのサブリミナル効果により、無印良品の「人をダメにするソファ」に埋もれ、でぶ猫同様にどうにも動けず、ひたすら大福を食べ続ける中毒人間が誕生するのである。
ハンドスピナーに学ぶ中毒性和菓子
みなさん、ハンドスピナーはご存知でしょうか?
二本指で挟み、クルクル回すだけ。ただそれだけのおもちゃですが、世界で大流行してるんです。
ただの暇つぶしのおもちゃのようで、懐かしさを感じたり精神を安定させる効果もあり、そこが中毒になる。不思議なおもちゃ、ハンドスピナー。
見ているだけで、懐かしさを感じ、精神を安定させる和菓子。
というわけで、こんなのはどうでしょう、「大仏様の髪の毛あんころ餅」。
箱を開けると、大仏の顔がドーン。その頭の髪の毛部分、あのパンチパーマになってるひとつ一つの丸があんころ餅で出来てるんです。大きな箱の大半は大仏の顔。食べられるのはパンチパーマだけ、という、なんとも贅沢な仕様。仏様の表情に癒されながら、パンチパーマの丸を一つずつ食べていく。あ~、なんという癒し。
そして、全ての丸を食べ終わると、大仏様は綺麗なハゲ頭に。その眩しさにまるで後光のような美しさを感じ、思わず「ありがたや」の声が出ることでしょう。
無限プチプチに学ぶ中毒性和菓子
少し前の話になりますが、無限プチプチ、流行りましたね~。梱包資材のぷちぷちを潰す楽しみを無限に楽しめる、というこのおもちゃ。
ただひたすら、プチプチプチプチ・・。単純なのに、何、この中毒性!!と・・止まらない!!
ブームに乗って、枝豆を無限にぷりっと出せる「無限エダマメ」なんてのもありました。
そこで、考えました、『無限団子』。
膨大な量の団子と串がセットになった、無限団子。気が済むまで団子を串にぷすぷす挿しちゃってください!
今までは団子屋さんしか体感できなかった、串にブスっと挿すあの快感。
ひたすら挿し続け無限団子に燃えるのも良し、わんこそばのように次々挿しては食べるを繰り返すも良し。
お店は串に挿す手間が省けるし、お客様は串に挿す楽しみが増える。まさに一挙両得。
今回は、『中毒性』をキーワードに和菓子の可能性を探ってみましたが、いかがでしたか?
次回の和菓子向上委員会で会いましょう!
イラスト:つきあしあや
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