ずっしり、あんこ

ちょっと一福。【弐福目:文豪とあんこがずっしり】

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あんこ百貨店をご覧になってくださっている皆さん、こんにちは。
早いものでもう師走。寒さが厳しくなってきましたね。
私は最近、お風呂上がりに甘酒を飲むのにはまっています。
粒が残ったトロッとしたものも良いですし、さらっとした甘酒も美味しい。。

そんな欲張りな私の冷蔵庫は数種類の甘酒でいっぱいです。

と、和菓子においても、こんな悩ましい二者択一の議論が白熱!?
してしまうものがありますよね。

ズバリ

「あんこ」です。

そこで今回ご紹介するのは
河出書房新社のおいしい文藝『ずっしり、あんこ』。

ずっしり、あんこ、表紙

芥川龍之介、手塚治虫、辰巳芳子、平松洋子、東海林さだお、糸井重里、、、
名だたる作家陣があんこや和菓子への思いを熱く語っています。

饅頭の懐の深さ、この世の極楽今川焼き、餡ドーナツの悪魔の誘惑など、作者のあふれるあんこ愛が盛りだくさん。

そんな中でもやっぱり生じる
あんこ論争。

「粒餡VSこし餡」

本文より
「亡びつつあるわが身をかえりみず、小豆であったというメッセージを残していこうとしているところが健気でならない。
それにくらべたらこしアンは単なるペーストじゃないか。」
といった粒餡派。

「私は、どうでもこしあんでなければいやである。あの豆の皮を含んだつぶしあんというものは、なんだか鬱陶しい。豆の皮の口触りも感心しないし、なにより、
あの皮独特の匂いを好まない。」
といったこし餡派。

粒々した食感の粒餡か、滑らかな舌触りのこし餡か。。。
私はどちらも選べません。

粒餡vsこし餡

皆さんはどうでしょう?

粒餡は豆の甘味と餡の甘味が両方味わえますし、こし餡のサラッと雑味のない食感もとても魅力的です。

うーーん、どちらも捨てがたい。

半分粒餡で半分こし餡の饅頭や大福
粒とこしが二つずつ刺さったお団子
・・・のような和菓子があったら、、、

お互いに好きなものを分かち合ってシェアできるし、欲張りな人には二つのあんこを同時に楽しめます!・・・特に私自身(笑)

小豆という素材一つで粒餡こし餡と二種類になるあんこ。

一石二鳥の甘味。
これぞ「あんこ」の特権です!

そうと分かれば
どっちがいいかなんてもったいない。

両方美味しくいただきましょう。

寒くなってきたこの季節、粒餡こし餡ともに味わえるお汁粉で身も心もぽっかぽっか。

たっぷり『ずっしり、あんこ』につかって

【ちょっと一福。】致しませんか?

和菓子向上委員会
小﨑朝美(編集部コラム)
和菓子大好き元書店員、今は雑誌の編集者として奮闘中の和菓子と本のコラム。
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