あんこ百貨店をご覧になってくださっている皆さんこんにちは、小﨑朝美です。
クリスマスが過ぎるとあっという間に年末、そして年明け。
2017年も残り数日となってきました。年末年始の店頭には、縁起物がたくさん並びます。
そして、この時期の和菓子屋さんはふる回転!
鏡餅に、栗きんとん、黒豆、花びら餅・・・
猫の手も借りたいほどの忙しさです。
そこで今回は、商売繁盛!売切御免!大盛況の和菓子屋「元祖猫国堂(がんそにゃんごくどう)」を中心とした絵師 元祖ふとねこ堂による『猫国(にゃんごく)よもやま お菓子ばなし』をご紹介します。
江戸のような不思議な国、猫国(にゃんごく)。
その老舗菓子屋「元祖猫国堂」は、菓子職人?猫の間で神とあがめられた匠の初代が猫国七福猫様にお供えする菓子を考案したのが始まり。
看板商品は、全て猫ならではの御菓子。
見覚えがあるようでないような、とても可愛くて美味しそうなものがたくさん。
甘いものが大好きな猫たちと一緒に和菓子をたっぷり堪能できる絵物語です。
眠り猫の餡を巻いた「寝子タルト」、猫の手を模した「招福餅」といった七福猫様ゆかりのものから、猫の顔を形作った二色のきんとん、招き猫の手の薯蕷饅頭と、ユニークなものまで。
また、「おやつ詣」といった猫国の不思議な和菓子の行事や風習。「猫の菓子柄尽くし」「焼き目くらべ」と、猫みずから和菓子とコラボレーションしてしまったものまで。
猫!和菓子!猫!和菓子!のオンパレード!!
ほぉ、と思わずため息がこぼれるほど、お品書きは大充実!大満足の一冊。
この猫国は、御菓子と猫が切っても切り離せない国です。
ダイエットに効果的な食欲抑制の貼り紙「豆大福柄の猫」が流行し、白地に黒いぶち模様の猫を豆大福と呼ぶほどで、
「丸まったり伸びたりする姿は豆大福のごとし。」(※本文より)
と、猫と和菓子は常に一緒。むしろ同じ?(笑)なんですね。
まるごと猫一匹、猫まみれの御菓子は、こんな猫国だからこそ生まれたというのも納得です。
もう豆大福が猫に、いや猫が豆大福に見えてきませんか?
元祖猫国堂店主は言いました
「ただそれだけで福々しい。」
【ちょっと一福。】以上の福いっぱいを、猫国の猫と和菓子からたっぷりいただいて、新年は大きく福笑い!で迎えましょう。
皆さん良いお年をお過ごしください。
- 小﨑朝美(編集部コラム)
和菓子大好き元書店員、今は雑誌の編集者として奮闘中の和菓子と本のコラム。 - 和菓子向上委員会のコラムはこちら