【薬膳効果で対決!?】東西の桜餅の違いは見た目だけじゃない♪

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管理栄養士・管理薬膳師の森です。

暖かい日も増え、春めいてきましたね。

春の訪れを告げる和菓子といえば、桜餅。

桜餅を食べると口いっぱいに桜の香りが広がり、一気に春を感じられます。

私が大好きな季節の和菓子のひとつです。

 

皆さんは、桜餅と聞いてどんなものを思い浮かべますか?

こしあんが、ピンク色の皮でくるっと巻かれた関東風?

それとも、つぶつぶの餅米の中につぶあんが入った関西風?

同じ名前でも、地域によって、こんなに見た目が違う食べ物は珍しいですよね。

ちなみに、名古屋に住んでいる私には、道明寺タイプの桜餅が当たり前で、関東風を知った時はかなり衝撃でした。

 

関東風の桜餅は、水溶きの小麦粉を焼いて、こしあんを巻きます。

関西風は、もち米から作られた道明寺粉で、つぶあんを包みます。

このように関東風と関西風では、それぞれ使われている材料が違います。

材料が違うということは、薬膳的観点からみると、からだへの影響も異なってくるのです。関東風の主な原料は小麦粉、関

風はもち米です。小麦ともち米の性質を以下にまとめました。

五味五性については「なぜ薬膳的にも葛饅頭は夏に食べると絶好の和菓子なのか?~管理薬膳師がヒミツを解説」をご覧ください☆

 

上記の効能は、薬膳の大もと、中医学の独特な用語で示されています。見慣れない言葉が並んでいると思いますので、解説も付け加えておきましょう。

簡単にいうと、小麦は、体を冷やす性質があり、精神安定や体に潤いを与えたり、腎臓の機能をよくしたりする働きがあります。一方、もち米は、体をあたためる性質があり、消化機能の働きをよくしたり、からだが元気になったりする働きがあります。

この事から考えると、心身が弱っている・熱っぽい・喉が渇きがちな人には関東風の桜餅が、冷え症・疲れている人には関西風の桜餅がオススメ、というわけなのです♪

 

関東風と関西風。見た目や味わいが異なるだけでなく、薬膳的にもまったく違った性質をもつ和菓子であることが分かりますね。

そういった切り口からみると、ご自身の体調に合わせて、桜餅を選ぶこともできるようになります。

自分がどちらの体調に近いか分からない…という方は、食べたいと思う方が、今の体が欲しているものです。桜餅をきっかけに、一度ご自身のからだと対話してみてくださいね!

森 友理絵
森 友理絵
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